今回は、発売後一大ブームを巻き起こし社会現象にもなったという推理小説の傑作「白衣の女」。
あのディケンズも徹夜して読んだそう!
「何で今まで読んでいなかったのか・・・」と知らずにいたことを悔やむ程、面白かったこの小説は、コラムニスト”山﨑まどか”さんが以前、オススメの1冊に挙げていた作品。
上・中・下巻とボリュームがあるものの、夢子はページをめくる手が止まらず一気読みでした!
作品紹介
【作品名】
白衣の女(1860年)
<原題:The Woman in White>
【作者】
ウィルキー・コリンズ(1824-1889)
【あらすじ】
夏の夜道、「ロンドンに行きたい」と声をかけてきた白ずくめの女。
この奇妙な出会いからハートライトは愛する女性のため「悪」と対峙することになる・・・。
主な登場人物
舞台はヴィクトリア朝のイギリス。主な登場人物は6名。
ハートライト・・・絵画教師
ローラ・・・莫大な財産の相続人
マリアン・・・ローラの父親違いの姉、ハートライトのよき助言者
パーシヴァル卿・・・ローラの婚約者
フォスコ伯爵・・・イタリア人貴族
アン・・・ローラとうりふたつの“白衣の女”
おすすめポイント〜姉”マリアン”のキャラ!
ある“犯罪”の経緯を様々な関係者の口から、陳述書、手記、手紙や日記などで語られていくのですが、時系列で話が進むので、決して読みにくくはありません。
上巻は、美貌の令嬢ローラと絵画教師ハートライトの身分違いの恋の話が中心で若干、退屈(いや冗長というべきか)な感じもあるのですが、語り手がヒロインの異父姉マリアンに代わってから(「マリアンの日記」という形)俄然、面白くなります。
このマリアンがいいんですよ。
スタイルは良いが「不美人」といわれているのですが、賢くて度胸があって行動力もある!悪党2人を相手に、愛する妹を守るために戦うのです。
その強さと人間的魅力は悪党の1人をも魅了。(この悪党もキャラ立ってます!)
私は山崎さんと同じく「マリアンの物語」として読みました。
また、“推理小説の元祖”といわれるこの作品は、謎解きの面白さはもちろん、ひとつの時代、ヴィクトリア朝の雰囲気がよく感じられて興味深かったです。
まとめ
あのディケンズも徹夜して読んだという本作。
発表と同時に一大ブームが巻き起こり、書店には行列ができたそうですよ。
「精神病院、催眠療法、中央アメリカ探検、秘密結社、うりふたつの2人の女」
↑のワードにピンっと来た方、また、ブロンテ姉妹やジェイン・オースティンがお好きな方はぜひっ!