「ザ・昭和!」な人なら知っている?
近頃あまり目にすることがなくなった2時間もののサスペンスドラマ。
ご存知!土曜ワイド劇場や火曜サスペンス劇場・・・劇中、犯人の自供や事件の謎解きが様式美のように「崖の上」で展開されますよね?
ネタ元・・・というかインスピレーションの源はヒッチコックのこの映画「断崖」ではないか・・・?と密かに思っている夢子です。(特に根拠はありませんが)
作品紹介
【作品名】
断崖(1941年)
<原題:Suspicion /疑惑 >
【スタッフ・キャスト】
<監督>
アルフレッド・ヒッチコック
<出演>
ケーリー・グラント
ジョーン・フォンテイン
※フォンテインはヒッチコック監督作『レベッカ』 でアカデミー主演女優賞を逃したものの、翌年公開された同監 督の『断崖』で見事アカデミー主演女優賞を受賞
【あらすじ】
身内からもおカタい地味なオールドミス扱いされているリナは、列車の一等客室でハンサムなジョニーと偶然知り合う。
ジョニーは女たらしで有名なプレイボーイだった。
しかしリナは周りの意見に耳を貸さずジョニーと駈落ち同然に結婚をする。
やがてジョニーが無職で無一文だと知ったリナは就職を勧める。
彼は従兄弟の財産管理の仕事に就くが、やがてジョニーが資産を使い込んでいることが発覚、リナはショックを受ける。
次にジョニーは友人のビーキーをそそのかし土地に投資させるが、ある日ビーキーが死亡したことを知ったリナは、ジョニーがビーキーを殺害したのではと疑惑の目を向ける。
日に日に彼女は自分は夫に殺されるのではと妄想に憑りつかれていく。
おすすめポイント
①元祖?「崖の上で謎解き!」
精神的に追い詰められたリナの恐怖心がピークに達する断崖シーンは必見!
ちなみに映画の原題は『Suspicion(疑惑)』なんですが、邦題を『断崖』とした当時の映画の宣伝マン?はセンスあるなぁ。すごいな、言い得て妙。
②あの江戸川乱歩も「大いに感心した」と絶賛!
原作はF・アイルズの「レディに捧げる殺人物語」(別名:犯行以前)
「善悪の観念に欠ける魅力的な男性と結婚した女性はどうなってしまうのか?」を描いたこの作品は、
犯罪そのものに焦点をあてるのではなく、「恋は盲目」的なリナの性格や心理に重点を置いて描かれた傑作犯罪心理小説。
夢子は小説の冒頭3行でどハマり。
高校時代、テスト前にも関わらず徹夜で読んでしまい、大変な目にあったのもいい思い出です・・・。
面白いんですよ、歪んでますけどね。
ちなみに、かの江戸川乱歩は両作品について次のように述べています。
「犯行以前(レディに捧げる~)」は『サスピション』という題でヒッチコックが映画化し、
(1955年6月稿『海外探偵小説 作家と作品』)
戦争直後 日本にも輸入され『断崖』という邦題で上映されたが、やはり原作『犯行以前』の方が面白いように思った」
③少女漫画界の重鎮 名香智子が希望して漫画化!
名香智子さんが全ての女性に捧ぐ?「こんな男と結婚してはいけないよ」、的な物語。
名香先生が言うところの”こんな男”ジョニーがなぜかとっても魅力的なんですよね・・・。
まとめ
「読んでから観るか、それとも観てから読むか」
・・・というのも、映画と原作のラストが異なるこの作品。
皆さんはどちらがお好きでしょうか?
でも、まぁ、行き着く先は同じような・・・?