ドリアン・グレイの肖像

オスカー・ワイルド(1854 – 1900)と言えば、”幸福の王子”に”サロメ”・・・有名な作品はたくさんあるけれど、今回夢子が取り上げたいのは「ドリアン・グレイの肖像」。

なぜかというと、最近Amazon primeで映画ドリアン・グレイの肖像を観たばかりだから♪

余談ですが、、、オスカ―・ワイルドって名前、なんかキザですよね。

なぜだか、ものすごく美青年を想像させる響き・・・(作品のイメージ?)

「ドリアン・グレイの肖像」(1890)はそんなオスカー・ワイルドの唯一の長編であり代表作でもある作品。

遥かむかし、、、多分大学生の時に古本屋で買った気が。ものすごく年季入ってます。

〜 Story 〜

美貌と無垢な心を兼ね備えた貴族の青年ドリアン・グレイは、友人の画家バジルに描かせた自分の肖像画のように、若さを永遠に保ちたいと願います。

同じく友人である無頼漢のヘンリー・ウォットン卿の影響を受けながら、若さを異常に崇拝するようになったドリアンは、快楽のためだけに生き、あらゆる 「極上の誘惑 」に負けることを誓うのです。

肖像画に起こる不思議な現象

やがてこの肖像画を巡って様々な宿命的な出来事が起こり出します。

ある夜、ドリアンがある罪を犯し屋敷に戻ると、彼の肖像画は奇怪にも口許に残忍な微笑を浮べていた。

退廃と堕落の下劣な生活に沈む一方で彼は若さを保ち、彼の肖像画は「彼自身の良心の象徴」として、
ドリアンがより怪物的になるにつれて「老い」や「悪徳」を映し出すようになり、彼の魂そのままに次第に醜悪な人物に変貌していきます。




ドリアン・グレイと肖像画に訪れる結末は?

ここから先はネタバレ注意!

あらゆる悪事を重ねながらも若く美しいままのドリアン、、、対照的に今では見るにも耐えなほど邪悪な姿へと変貌した肖像画の自分。

以前は、変化をし老けていく肖像画を見守ることが快感でもあった彼でしたが、だんだんと肖像画を通し自分の過去(悪事)と対峙することに重荷、そしてこの絵が誰かの目に触れることへの不安や恐怖を感じ始めたドリアンは、「肖像画=自分の良心」をなくしてやろうと決心します。

あたりを見廻すと、そこにはかつて友人でもあり肖像画を描いたバジルを殺めたナイフが・・・!

肖像画を抹殺することで過去をすべて取り戻せると絵の中の自分にナイフを突き刺したバジル。


その後、異変に気付いて駆け付けた人々の前には自分の胸にナイフを刺した醜悪な人物が死に絶えていた。

そしてそこには、人々が最後に目にしたままのドリアン・グレイのみごとな肖像が、えもいえぬ美と青春に輝きつつ、壁にかかっていたのでした。

映画「ドリアン・グレイの肖像」(1945年)

そして、冒頭に戻り、、、何度か映像化されているようですが、今回夢子が観たのはこちらの作品。

amazon:ドリアン・グレイの肖像

映画は基本白黒なのですが、肖像画を映す場面だけはカラーになるんです。その演出がなんともお洒落。

貴族のドリアン・グレイが住むお屋敷や衣装、そして劇中に流れるショパンの美しい音楽(前奏曲第24番ニ短調)、など、映画の世界観が優雅でとても素敵です♪

Amazon prime会員の夢子は今回たまたまオススメに上がってきた&無料だったので、軽い気持ちで観てみたのですが、思いの外良くできていて面白かったです!(何様?)

基本原作に忠実な作りなので、原作好きの方はもちろん、未読の方も機会があればぜひっ♪

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