今回は、乙女(チックなものが好き)な夢子が見ても面白かったハードボイルド&サスペンス映画「青いドレスの女」です。
作品紹介
【作品名】
青いドレスの女(1995年)
<原題:DEVIL IN A BLUE DRESS>
【スタッフ・キャスト】
<監督・脚本>
カール・フランクリン
<製作総指揮>
ジョナサン・デミ
<出演>
デンゼル・ワシントン
トム・サイズモア
ジェニファー・ビールズ
ドン・チードル
【あらすじ】
仕事をクビになり、黒人への差別が原因で次の職がなかなか見つからないイージーは、ある男からダフネという白人女を捜し出すよう依頼される。
引用元:ソニーピクチャーズ公式
胡散臭いものを感じながらも、目の前に積まれた現金の魅力に勝てず、仕事を引き受けてしまった。
イージーの予感は的中し、最初の情報提供者は惨殺され、おまけに嫌疑までかけられてしまう・・・。
※便宜上、黒人、白人、という言葉を使います。
オープニングからハードボイルドです。
冒頭、R&Bのヒットナンバー“ウェスト・サイド・ベイビー”と共に、街の喧騒を描いた絵をカメラがなめるように映していきます。
そして、絵から実際の映像に乗り替わり、街の賑わいを見せてからカメラはクレーンアップ、酒場で新聞を読んでいる男へ・・・。
本作の主人公イージーを演じるのは若かりし頃のデンゼル・ワシントン。
「いよっ、待ってました!」
と声を掛けたいぐらい超セクシーでカッコイイ♡
何てことない白のタンクトップ姿でさえイケてます。
イージーのモノローグから、この映画の舞台は1948年のロサンゼルスであることが分かるのですが、ここで感じるちょっとした違和感。なぜなら、冒頭の街や酒場に出てくるのは黒人ばかりで、白人は一切出てこないから。
アメリカであるにも関わらずです。
そして回想シーンで、イージーが黒人であることを理由に仕事をクビになったこと、話が進むにつれ黒人と白人の住む世界が明確にわかれていること等、40年代のアメリカにあった差別が描かれていきます。
ストーリー自体は、美貌の白人女性ダフネを探し出すよう依頼を受けた主人公が血なまぐさい殺人事件に巻き込まれるハードボイルド・サスペンスです。
ハードボイルドと言えば、ファム・ファタール(運命の女)がお約束。
青いドレスがトレードマーク、“運命の女”を演じるのは『フラッシュダンス』で一世を風靡したジェニファー・ビールス!
なぜ、ダフネは身を隠すことになったのか?彼女が抱える秘密とは?
『青いドレスの女』は全編にR&Bやジャズのヒットナンバーが流れ、美女をめぐってギャングや陰謀うごめくエンタメ作品なのですが、テーマが人種差別であるため、そう単純に「面白い」と片付けられない映画でもあります。
「自由を求めて戦っても人種の壁は厚い」というイージーの台詞。
決して過去の出来事ではないところに複雑な気持ちになります。
夢子は、今年3月に行われたアカデミー賞授賞式の際、アジア人俳優に対し差別的な振る舞いがあったのでは?と物議を醸す騒動があったことを思い出しましたよ・・・。
ちなみに原作はハードボイルド小説のファンから絶大な支持を受けているというウォルター・モズリィの「イージー・ローリンズ・シリーズ」第一作目の「ブルー・ドレスの女」。
これがまた面白い。
原作・映画ともに、ハードボイルドものに興味がない方が見ても楽しめる作品だと思います♪