夢子の人生の中で、10代半ばから20代前半くらい迄の頃がジャンル問わず一番映画をよく観ていた時期なのですが、そんな多感な時期に観た作品の一つ「イル・ポスティーノ」(1994)
大好きな映画でこれまで何度か観ているのですが、映画館で観るのは今回が初めて!
1996年の日本公開以来、30年ぶりに劇場上映されると知り楽しみにしていました♪
〜STORY〜
イタリア、ナポリ沖合いの緑あふれる小島。
高名な詩人パブロ・ネルーダが、祖国チリを追われ亡命してやって来る。
内気な青年マリオは、ネルーダへの手紙を運ぶ郵便配達人となり、彼との交流を通じて、詩の魅力を知っていく。
この世に生まれ、思いがけない人と出会い、そして別れることの素晴らしさと切なさが、観る者の魂に波のように寄せては返す忘れられない物語。
引用元:映画『イル・ポスティーノ 4K デジタル・リマスター版』公式
内気な郵便配達人マリオを演じるのはマッシモ・トロイージ
本作はマッシモの遺作でもあります。
元々心臓が悪かったという彼は、クランクアップの12時間後に心臓発作により41歳という若さで映画の完成を見ることなくこの世を去りました。
スクリーンの中の”マリオ”はどこか儚く、演技ではなく”マッシモ”自身の姿に見えてきて一層切ない気持ちになります・・・。
詩人パブロ・ネルーダ役にはフィリップ・ノワレ
映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のアルフレード役としても有名な俳優ですよね。
体調が悪く1日2時間しか撮影できなかったマッシモを、映画同様に励ましたのが彼なんだそう・・・
このエピソードにまたうるっと来てしまいます・・・。
内気な青年マッシモと高明な詩人パブロ・・・「詩」を通して育まれていく二人の友情や、今まで知らなかった世界に出会い少しづつ変わっていくマリオの姿が微笑ましく、温かい気持ちになります。
ちなみに、モデルとなった”パブロ・ネルーダ”という方は、夢子はこの映画で初めて知ったのですが、、、
20世紀最大の詩人と呼ばれた実在の人物だそうで、チリの国民的な詩人であり政治家なんだそうですよ。
1971年にノーベル文学賞も受賞されているんですね。
そしてこの映画、音楽がまた素晴らしいんです!
オープニング、舞台となった南イタリアの小島の素朴な風景とともに流れるバンドネオンの音色に何故だか早くも涙出そうになった夢子です。
同じ曲(メロディ)なのに、テンポや流れる場面によって楽しくも切なくも聴こえるなんて不思議だな。
と、ここまで長々書いておきながら何ですが・・・
この映画には”説明”はいらないと思うのです。
劇中、パブロ・ネルーダの台詞に「詩は説明したら陳腐になる」というような言葉があったのですが、この映画にも通じる気がします。
読んだ人がどう感じたか。
観た人が何を思ったのか。
まさしく「詩」のような映画。
心の琴線に触れる作品です。
最後に関東エリアにお住いの方々に夢子から一言!
観に行こうか迷っている方は是非お早めに劇場へ!
11/8から3週間の限定公開のようですよー!
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