「ガラスの仮面」読者ならピンと来る?!な今回は、あの”ドラキュラ”誕生に大きな影響を与えたと言われている怪奇小説の傑作「吸血鬼カーミラ」です。
作品紹介
【作品名】
女吸血鬼カーミラ(1872年)
※フランス:1847年初版
【作者】
シェリダン・レ・ファニュ(1814-1873)
【あらすじ】
少女ローラはオーストリアで、父と人里離れた城でしずかに暮らしている。
ある日、突然暴走した馬車が城の前にやってきて横転し、中から気絶した美しい少女が運び出される。
https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=711&st=3
少女の母は、急ぎの旅の途中だからと、ローラを父に託し、自分たちの素性を探らないよう念を押して去ってゆく。
その日から少女と共に生活するようになったローラは少女に夢中になるが、いくつかの不思議な点があった。寝る時は部屋に鍵をかけ、部屋に他人が居ることを拒絶する。素性は家柄が良いことと名をカーミラということしか明かさない。たびたびローラを愛撫しながら愛を語るが、そのことばは生死に関わる謎めいた内容。起きてくるのは毎日正午過ぎで、食事はチョコレート1杯だけ。賛美歌に異常な嫌悪感を表す。
やがて、城周辺の村で異変が起きるようになる。何人かの女性が相次ぎ死亡し、熱病の流行が噂される。そして、いつしか、ローラ自身も体調の不良を訴えるようになる…。
おすすめポイント
①世界観がたまらない!
森に囲まれた古い城、ゴシック洋式の礼拝堂、月光、美少女、、、
そりゃ、吸血鬼も出るよね?な幻想的な世界観。
②カーミラの謎
青白い顔をした美しい少女の正体は?
得体の知れない不気味さにぞくぞくっとするけれど、その怪しい美しさにローラ同様、惹かれてしまう、、、。
③ふたりの関係
ローラとカーミラの間に漂う恋にも似た感情は友情、それとも・・・?
亜紀書房の作品紹介には、
「レズビアニズム色の濃密な作品でもあり、「百合族」のバイブルともされる本作」との記載が。
まとめ
吸血鬼といえば、ブラム・ストーカーによる怪奇小説「ドラキュラ」ですが(ですよね?)、それよりも前に書かれ、ドラキュラ誕生に大きな影響を与えたと言われているのがこの「カーミラ」だそう。
巻末の解説によると作者自身は、「カーミラは吸血鬼で性別はない、、、」と答えたそうで、この機転の利いた返答の効果もあり同性愛が敵視されていた時代にもかかわらず、この小説が発禁にならずにすんだのではないだろうか、と書かれていました。
同性愛?・・・今読めば、「まあ、そう言われてみればそうかな?」程度で過激な描写など全くないのだけれど、、、当時にしてみれば確かにセンセーショナルだったのかもしれませんね。
ちなみに、私がこのカーミラを知ったきっかけは、子供のころに読んだ「ガラスの仮面」。
「亜弓さんがマヤの仇を取るために初めて親の力を借りて手に入れた役(カーミラの肖像)。
主演の乙部のりえを演技力で圧倒する」
~wikipediaより~
このエピソード、ガラスの仮面読者の方ならきっとピンとくるはず、、、?!