「水妖記」・・・漢字で書くとなんだか妖怪感出ますが、、、ドイツロマン派作家フーケーの代表作で、ヨーロッパに古くから伝わる民間伝承を題材とした水の精のお話です。
魂のない水の精”ウンディーネ”
魂を得る方法はただ一つ・・・それは人間の男と愛によって結ばれること・・・。
作品紹介
【作品名】
水妖記 ウンディーネ(1811年)
<原題:Undine>
【作者】
フリードリヒ・フーケー(1777-1843)
【あらすじ】
湖のような青い瞳,輝くブロンド.子供をなくした老漁夫のもとにどこからか現われた美少女ウンディーネは、実は魂のない水の精であった。
https://www.iwanami.co.jp/book/b247682.html
人間の世界にすみ、人間の男と愛によって結ばれて、魂を得たいとねがったのだ。
――ヨーロッパに古くから伝わる民間伝承に材をとったドイツロマン派の妖しくも幻想的な愛の物語。
おすすめポイント
①精霊と人間~種の異なる二人の愛
水の精ウンディーネと若き騎士フルトブラントとの夢のように美しく、そして儚い二人の愛の物語にうっとり。
②魂を持つことは幸せ?
無邪気な少女だったウンディーネが人間の男性と恋に落ち、魂を得たことによって喜びや悲しみという感情を知り苦悩する姿が切ない。
魂を得たウンディーネは幸せだったのかしら?
でも魂があるからこそ幸せや喜びも感じられるんですよね・・・。
③覗いてみたい!妖しい世界
醜く邪悪な精霊が登場したり悪さをしたり、、、ちょっぴり不気味だけれど幻想的な世界観。
おとぎ話が大好きな夢子はワクワクします。
多くの芸術家にインスピレーションを与えてきた「水の精」
”水の精の神話”は古くから多くのアーティスト達にインスピレーションを与え、アンデルセンは「人魚姫」を、フーケーは「水妖記(ウンディーネ)」を生み出し、またチャイコフスキーやドビュッシーもバレエやオペラの楽曲を創作したとのこと。
オルコットの「若草物語」にもその描写が出てくるんですよ。
冒頭で次女”ジョー”が欲しいと切望しているのがこの「水妖記」なんだそう。
そして新しいところでは、水の精ウンディーネを題材とした映画「水を抱く女」が2020年(日本公開2021年)に公開されました。
美しく、そして切ないバッハの旋律にのせて描かれる幻想的な作品です。
200年以上も前から現代まで、多くの人に読み継がれ影響を与え続けるなんて本当にすごいことですね。
いつの世も人の心を惹きつけるものは同じなのかもしれないですね。